京都市長 門川大作 オフィシャルサイト

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活動日記

2009/04/01

共汗通信~市役所に新たな力を迎えました

shinkisaiyou

 始まりの日。

 京都市役所も、

・9つあった局を8つに統合

・コミュニティセンターの見直しによる職員105人

     の引き上げなど事業所の統廃合

など、大胆な組織のスクラップアンドビルドを行い、新たな体制で21年度を迎えました。かつて京都市は、13の局がありましたが、今では8局。職員数も昨年度と比べ300人以上削減しました。今回の組織改編で、政令指定都市の中でも「最小」の組織で、「最大」の仕事をしていく体制ができたと自負しています。

 さらに今日は、未来の京都市役所を支える新たな力-新規採用職員268名を迎える日でもあります。

 彼ら・彼女らには、

 1 仕事を楽しめ!

 2 迷った時は困難な道を選べ!

 3 感性を磨き、感度を高めよ!

 4 笑顔を忘れない!

 5 あらゆるタブー・しがらみをなくせ!

という訓示を行いました。ともに素晴らしい未来の京都市を作り上げていきましょう!

以下、私の訓示をご紹介しておきます。

 改めまして、皆さんおはようございます。

 京都市長の門川 大作です。心より、緊張感の中に、お一人お一人のお顔を拝見し、非常に心強いものを感じております。268名の新しい職員をお迎えすることができました。京都は1200年を超える悠久の歴史を持っております。同時に、常に新たな課題に挑戦してきたまちであります。

 今、国のあり方、行政のあり方、政治のあり方が各方面で問われております。私は皆さんと御一緒に、またすばらしい京都市民と共に汗をかいて、「共汗」で地域主権時代のモデルとなるような京都をつくっていこう。そういうことを掲げて、この1年余り、努力してきました。

 そこに皆さんをお迎えして、新たな飛躍の年になると確信しております。お一人お一人が志し高く、京都のために働こう、京都市民のために働こう、そして難関を突破して、京都市職員に今、採用辞令を交付させていただきました。お一人お一人にお祝い申し上げますとともに、これを新たな人生のスタートとして、精進していただきますよう御期待を込めて、何点かお話させていただきたいと思っております。

 1つ目は、「仕事を楽しむ」ということであります。どうぞ仕事を楽しんでください。京都出身の伏見工業のラグビーをされた平尾誠二さん、こんなことを言っておられる。「ワーカーかプレイヤーか。」もちろん働くという意味ではワーカーです。しかし、プレイヤーとして仕事をしよう。プレイヤーとして仕事を楽しもう。仕事は、生活の糧を得るために、収入を得るためにするものであります。仕事は苦役である。だから、趣味のために生きよう。こんなことでは、私は人生は充実しないと。いろんな人を私は見てきました。仕事が人間をつくる、仕事が人生をつくる、仕事が人間性を磨く。その通りだと思います。仕事が充実している人は、人生も充実している。家庭生活も充実している。

 だから、人生丸ごと、仕事丸ごと、楽しむ。こういうことでお願いしたいなと思っています。仕事を楽しむにはどうしたらいいか。私は一つ一つ、どんな単純な仕事であっても心を込めて、真正面からぶつかることだと思います。それぞれ赴任していただく職場にはいろんな課題があります。また表面的には単純な仕事の連続であるとそんなこともあると思います。

 しかし、こんな話を聞きました。大工さんの見習いの方の話です。毎日毎日木を削っている。木を切っている。私は、柱を磨いているんだ。そうではない、家をつくっているんだ。いやそれ以上に、そこに住まわれる方の幸せのために家をつくっているんだ。まちづくりの一環としての家をつくっているんだ。どう思うかであります。棟梁に言われて、言われるがままに木を削っていると思うのか、人々の幸せのために、まちづくりのために心を込めて木を削っていると思うのか。やらされていると思うのか、当事者意識を発揮し、主体的に真心を込めて、一つ一つの仕事をするのか。その積み上げが、仕事を楽しく、人生を豊かにする、仕事で自分を磨き上げる。こういうことだと思います。公務員の仕事、市役所の仕事、楽しい限りであります。大いに仕事を楽しんで、自己研鑽に励んで欲しい。これが1点目であります。

 2つ目は、「迷った時は困難な道を選ぶ」、これは私自身、先代から言われて、心掛けてきました。困難な道を選ぶ、もっと極端に言いますと、身体のしんどい方を選ぶ。人間、ややもすれば、楽な方を選びます。迷った時は、そうしよう。例えそれが、後からみて、判断が間違っていたとしても、逃げたことよりは後悔しない。逃げた後悔は、本当に人生を暗くします。困難にぶつかって、そこで例え失敗したとしても、それは教訓になります。迷った時は困難な道を選ぼう。仕事でいろいろつまづいた時は、身体のしんどい方へ、それの繰り返しが、皆さん方に充実感のある仕事をしていく、充実感のある人生に繋がる。私はそう確信しております。よろしくお願いします。

 3つ目は、「感性を磨き、感度を高めて欲しい」ということであります。皆さんはもちろん勤務時間中、先程の宣誓にありましたように全ての持てる力を仕事に集中する。これは当然であります。しかし、365日、24時間公務員であります。全体の奉仕者であります。市の職員であります。そんな中で、道を歩いていても、私的な仕事をしていても、常に感性を磨く、あらゆることを自分が担当している。仕事と結びつける。京都のまちをよくしていこう。京都市民のために働こう。市民の幸せのためにがんばろう。そういう意識で、京都のまちをみる、ニュースをみる、新聞を読む、そうして常に感度を高める。これが市役所職員である根本であると、寝ても覚めても市の職員であると。そういう自覚の中で、感度が高まる。そんなふうに思います。

 最後になりますけど、「笑顔」であります。私は今日、9時前にここへ来ましたら、多くの新規採用の方々から、受付に並んでいただいて、「おはようございます。おはようございます。」と笑顔で、挨拶していただきました。気持ちよかったです。笑顔は最高のメッセージであります。今京都市役所、全庁挙げて、「笑顔、親切、ていねい、テキパキ」これをキャッチフレーズに全庁きょうかん運動に取り組んでおります。皆さん方が、各職場でさわやかな笑顔、最高の笑顔で、個性を発信して欲しい。そのように思います。

 もう一つ、昨年も人事異動の時に申し上げたんですけど、こんなことをお願いしたいなと思っています。カマスの実験という言葉があるんですね。心理学の世界では、学習性無力感と言うんですけど。カマスが水槽で泳いでいます。封印をしています。その真ん中に透明のアクリル板を入れる。そうするとカマスはぶつかります。ところが、カマスは賢いですから、しばらくすると透明の見えないアクリル板の手前で曲がります。決してぶつかりません。そしてしばらくしますとまたそのアクリル板を外します。反対側に餌をやる。しかしカマスは決してないアクリル板をあると思って、餌の方へは行きません。カマスはどんどん痩せていきます。そのカマスを救うにはどうしたらいいか。一匹の何も知らないカマスを放り込むんです。そうすると全てが解決します。

 我々は今、一生懸命あらゆるタブーをなくしていこう。あらゆるしがらみをなくしていこう。聖域をなくした改革に取り組もう。こういうことを申しております。その時に皆さんの新しい感性や新しい視点が何よりの力になると思います。どうぞ期待しています。よろしくお願いします。